以下、判りにくいと思うがまず説明。
コンクリートの建物を建てるときには木で出来た型枠というもので
建物外側の形を作り、その中に生コンを流しこんで建物の形を作る。
コンクリートを流し込んだ時、型枠が破裂しないように
コンクリート部分を貫通する「セパレータ」という金属棒で
両側の型枠板を結んでいる。
モッコンと呼ばれるものが、その両端に付いているが
コンクリートが固まり、型枠を取り外すとモッコン(木コン)の痕が穴ぼこで残る。
普通は、この穴ボコをモルタルというコンクリートで埋める。
コンクリート打ち放しの建物の打ち放し壁面に直径3cmほどの丸い痕が
規則正しく残っているのを見たことがあると思うが、それがモッコン痕だ。
解りづらい説明をしたのは、スタジオリフォーム工事で
空洞になっていた3F漆喰壁面を取り壊し、
そこに作りつけ収納家具を設置する工事で
その途中、モッコン痕に残っていた金属棒の頭を削り落とす作業があった。
大工グループ、家具設計職人がそれをやり始めたのだが
彼はそれをハンマーで叩き落す方法ですると、外側まで貫通しているその金属棒が振動して
外壁のモッコン痕に充填したモルタルに悪影響を及ぼさないかと
手間はかかるが、ディスク・サンダーで削り落としていた。
ちょうどボクがPC仕事をしているところの頭上内側の作業をしている時
なんとそのモルタルが落ちてきたではないか!
3Fに上がって、該当する壁面を見るとモルタルは落ち
金属棒が見えている、さらに金属棒を触ると動く!!
つまりコンクリート壁面を貫通する隙間があるということ。
同じ作業を外壁側にもしているわけで
「これは防水上、マズイ」と、スグにストップをかけた。
3F外壁には近づけないので、望遠レンズを付けたカメラで目視するが
モッコン痕のモルタルが剥がれ落ちた形跡は無し、
しかし、念には念を入れ外壁にホースで大雨並みの水をかけ
防水状況を確認することにした。
(必要な長いホースはお施主さん=ボクが買いに行き、家具職人さんには遅れ気味の作業続行をお願いした)
そしたらやはりクラック(ヒビ)に沿って漏水を3箇所ほど発見。
家具職人の名誉のために書いておくが、彼の作業のせいではなく
元々あったクラックに、7年前施した防水処理が既に効力を失ったいうことだろう。
この状況は想像の範囲内で
今回のリフォームで外壁全体の防水工事をするかどうかは、ちょっと迷ってはいた。
結果的に、足場を組まなければならないのと、予算的な問題で
先送りにしたのだが、やっぱり限界だったというわけだ。
ま、7年前の防水工事業者が下手くそだったのもある。
今回のリフォームでは、その漏水箇所の内側に木製の収納家具が収まるわけで
ちょっと大雨が降れば、家具にも雨水が滲みる可能性大、
一応その危険性は感じていたので、
クラックに対して内側からの防水処理と、
家具背面に防水シートを貼る予定にはなっている。
しかし根本的な防水対策ではないことも重々承知。
一度壁面に染み込んだ水は、これまでのクラックからは漏れなくてもどこかに逃げ
別の場所から漏水する危険性はかなり高い。
「そのニ」に続く