映画「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」公式サイト
前に試写会に絡んでご紹介したこの映画、やっと自分で観てこられました。
名古屋では1週間ぐらい?新栄の名演小劇場で観られる(正確な情報は上の公式サイトリンクでご覧ください)
試写会がらみの情報をもらうまで「ヴィヴィアンマイヤー」という写真家の存在さえ知らなかったが、その時調べて彼女の撮った写真がかなり面白いことは確認済み。家人が先に試写会を見ていたので、アウトラインは聞いていたが、実際に映画を観て写真を撮る人間の端くれとして「震える」ような何かを感じた。それは、彼女の撮った写真が、というより彼女の生き方:存在そのもの:そして世間に見つかった経緯、だから彼女の写真集を見るのもイイがこの映画は大変に面白かった。
ちなみに僕がAmazonに注文したのは以下
http://www.amazon.co.jp/dp/1576876624/ref=rdr_ext_tmb
代表作満載ではなく、セルフィー(自撮り)ばかりを選んだ写真集だ、ちょっと斜に構えて選んでみた。多分その後、代表作満載の写真集も買うかもね?そして彼女が残した未発表の写真は今現在も、(映画製作時点では)未現像のフィルムもまだあるようなので、今後どんどん増えてくるだろう。彼女に関しては、彼女の奇妙な存在や秀逸なストリートスナップ写真にとどまらず、正確に言うと彼女の人生、それらすべては既に終わっており、撮られた写真も含めてこれから変わることはない。それに引き換え、彼女の作品と遺品、作家としての評価などがダイナミックに動く可能性がある。つまり僕の希望的な想像だが、彼女の作品群はまだ散逸しておらず、むしろ手付かずの状態。そして興味深い遺品の数々や、8mm16mmムーヴィーフィルムなど、どこかのお金持ちまたは公的な美術館が彼女のすべてを保存する美術館を作ってもイイほど、十分な価値が有ると思うし、それこそがダイナミックな面白い展開だと思っている。映画の感想で言うと、社会的には貧困層に属して、1960~80年代に乳母を職業にしていたフランス移民の娘がアメリカでどの程度稼げていたのかは知れないけれど、貧困層と言われながら、世界旅行にも出ているし、母の故郷のフランスの片田舎にも2度旅行している。更に使っているカメラはローライフレックスだのLeicaだの当時でもかなり高価な機材、遺品の撮影済み未現像のフィルムだけでも数100本、現像済みネガに至っては数万枚?つまりそれなりにお金もかかってるわけで、下世話な話だがその辺りのお財布事情などが、21世紀の日本に住んでいる僕からすると、60~70年代アメリカ実情なのか?微妙に謎な感じがしてしまう。彼女の人生を不幸だと思う方もいるかもしれないが、まさに発見されたのが、偶然死後すぐというストーリーといい、ある種羨ましい限りの写真家人生な気がした。振り返って、自分を見ると机の上には未発表のデジタルプリントが200枚以上束にして積まれているが、コレを誰かが見つけてくれるんだろうか?というより観てさえくれるんだろうか?写真とは時間軸を含めた多次元の空間を一枚の平面にスライスしたモノ、スライスの仕方=つまり撮り方や何を撮ったかなど、無限の記憶の残り物だという虚しさと、それを発見してもらえたヴィヴィアンの幸福などを感じさせられた映画だった。
http://www.huffingtonpost.jp/2015/10/09/vivian-maier-movie_n_8267892.html#slide=start
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