2012年1月21日土曜日

漏水、その一。

以下、判りにくいと思うがまず説明。
コンクリートの建物を建てるときには木で出来た型枠というもので
建物外側の形を作り、その中に生コンを流しこんで建物の形を作る。
コンクリートを流し込んだ時、型枠が破裂しないように
コンクリート部分を貫通する「セパレータ」という金属棒で
両側の型枠板を結んでいる。
モッコンと呼ばれるものが、その両端に付いているが
コンクリートが固まり、型枠を取り外すとモッコン(木コン)の痕が穴ぼこで残る。
普通は、この穴ボコをモルタルというコンクリートで埋める。
コンクリート打ち放しの建物の打ち放し壁面に直径3cmほどの丸い痕が
規則正しく残っているのを見たことがあると思うが、それがモッコン痕だ。
解りづらい説明をしたのは、スタジオリフォーム工事で
空洞になっていた3F漆喰壁面を取り壊し、
そこに作りつけ収納家具を設置する工事で
その途中、モッコン痕に残っていた金属棒の頭を削り落とす作業があった。
大工グループ、家具設計職人がそれをやり始めたのだが
彼はそれをハンマーで叩き落す方法ですると、外側まで貫通しているその金属棒が振動して
外壁のモッコン痕に充填したモルタルに悪影響を及ぼさないかと
手間はかかるが、ディスク・サンダーで削り落としていた。
ちょうどボクがPC仕事をしているところの頭上内側の作業をしている時
なんとそのモルタルが落ちてきたではないか!
3Fに上がって、該当する壁面を見るとモルタルは落ち
金属棒が見えている、さらに金属棒を触ると動く!!
つまりコンクリート壁面を貫通する隙間があるということ。
同じ作業を外壁側にもしているわけで
「これは防水上、マズイ」と、スグにストップをかけた。
3F外壁には近づけないので、望遠レンズを付けたカメラで目視するが
モッコン痕のモルタルが剥がれ落ちた形跡は無し、
しかし、念には念を入れ外壁にホースで大雨並みの水をかけ
防水状況を確認することにした。
(必要な長いホースはお施主さん=ボクが買いに行き、家具職人さんには遅れ気味の作業続行をお願いした)
そしたらやはりクラック(ヒビ)に沿って漏水を3箇所ほど発見。
家具職人の名誉のために書いておくが、彼の作業のせいではなく
元々あったクラックに、7年前施した防水処理が既に効力を失ったいうことだろう。
この状況は想像の範囲内で
今回のリフォームで外壁全体の防水工事をするかどうかは、ちょっと迷ってはいた。
結果的に、足場を組まなければならないのと、予算的な問題で
先送りにしたのだが、やっぱり限界だったというわけだ。
ま、7年前の防水工事業者が下手くそだったのもある。
今回のリフォームでは、その漏水箇所の内側に木製の収納家具が収まるわけで
ちょっと大雨が降れば、家具にも雨水が滲みる可能性大、
一応その危険性は感じていたので、
クラックに対して内側からの防水処理と、
家具背面に防水シートを貼る予定にはなっている。
しかし根本的な防水対策ではないことも重々承知。
一度壁面に染み込んだ水は、これまでのクラックからは漏れなくてもどこかに逃げ
別の場所から漏水する危険性はかなり高い。
「そのニ」に続く

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